これから猫を飼う人とすでに飼っている人へ

一般社団法人ペットフード協会が毎年行っている犬猫飼育実態調査によると、猫の飼育数は年々微増しており、2017年には初めて犬を上回りました。

特に共働きや高齢者の世帯があまり手間をかけずに飼える猫を好む傾向が強いようです。散歩が不要でトイレのしつけもしやすいので、猫の世話は犬と比べると確かに楽だと言えるでしょう。

しかし、世話が楽だから適当に飼っていればいいと思ってはいけません。

猫が自分でグルーミングできない部分のお手入れを手伝ったり、病気や肥満にならないように健康管理をしてあげる必要があります。きちんと対策を取らないと爪とぎで家具や柱や壁を傷付けられたり、トイレの砂を飛び散らせて部屋を汚すことも多いです。爪とぎも砂かきも猫の習性なので、止めさせることはできません。

また、猫は自由を好み人間に媚びない動物です。飼い主の思い通りにはなかなか動いてくれません。遊びに誘っても名前を呼んでもずっと無視していると思ったら急に甘えてきたり、集中したい時に限って邪魔をしてきたりします。

でも、気まぐれでマイペースでプライドが高いところが猫の最大の魅力でもあります。猫によって異なる目や肉球や鼻の色・毛並み・しなやかな動き等、性格以上に見た目のかわいさや美しさにも溢れています。個体差はありますが、猫は必要以上に構われるのを嫌うので、ほどよい距離感で付き合っていくことも可能です。

当サイトでは猫との暮らしを楽しく豊かにするための様々な情報を掲載しています。これから猫を飼おうと考えている人・まだ飼い始めたばかりの人・すでに何年も飼っている人、猫を愛する全ての人々のお役に立てれば幸いです。

命を預かる者としての覚悟と責任

猫に限らず他のどんな動物にも言えますが、ペットを飼うことは命を預かることと同じです。

単なる興味本位や「かわいいから」という理由だけで安易に飼い始めるのは絶対に止めてください。

長期の旅行に行けなくなったり、病気によっては高額な医療費がかかるので、多少の時間とお金は猫のために犠牲にしなくてはなりません。

一度迎え入れたからには、責任を持って生涯世話をすると覚悟を決めましょう。

引っ越し・結婚・出産等で環境が変わっても、高齢や病気で介護が必要になったとしても、飼い続けなくてはならないのです。人間に飼われていた猫は外では生きていけません。飼えなくなったからと言って捨てたり、保健所に持ち込んでも猫が不幸になるだけです。「たかが猫の命」と思ってはいけません。

猫が元気なうちは考えたくないと思いますが、いつか必ず別れの時がやって来ます。猫の死と向き合う覚悟がどうしても持てないようであれば、いっそのこと飼わないという選択をするのもよいでしょう。

一緒に暮らしていれば人間も猫もかけがえのない大切な家族です。少しでも多くの猫と飼い主さんが幸せな毎日を過ごせることを願っています。

災害時の備えに!愛猫のための防災対策と便利グッズ

猫の防災について考えたことはありますか?
地震・台風・洪水等の災害が起きた時に愛猫を守れるのは飼い主だけです。
自分には関係ないと思っていても、災害はいつ起こるか分かりません。
だからこそ、普段の心がけが非常に重要です。
災害時に役立つ愛猫のための防災対策、あると便利なグッズについて詳しく解説します。

シミュレーションと事前準備としてできること
・自分と猫の安全を確保する
一番最初にすべきことは自分(同居家族がいる場合は家族も)の身の安全の確保です。飼い主が家具の下敷きになったり重傷を負ってしまったら、誰も猫を守ることができません。災害時の猫はたいていパニックを起こしているので、あまり刺激しないように注意しながら静かに近付き捕獲しましょう。大きめの洗濯ネットを使うと、引っかかれて怪我をしたり猫が脱走するのを防ぐことができます。捕獲したら優しく声をかけ、落ち着かせてあげましょう。

・猫をキャリーバッグやケージに移す
猫が落ち着いたら、キャリーバッグやケージに移しましょう。ただし、使い慣れているものでないと嫌がって入らないことがあります。普段から部屋に出しておいてハウス代わりに使ってもらい、慣れさせるとよいでしょう。毛布やタオルを敷いてニオイをつけさせたり、お気に入りのおもちゃを入れておくのもオススメです。キャリーバッグやケージの中が安心できる場所だということを認識させましょう。

・猫と一緒に避難所へ行く
避難が必要な場合、避難所がペットの受け入れを許可しているなら一緒に連れて行きましょう。しかし、避難者の中には猫嫌いの方や猫アレルギーを持っている方がいることもあります。多くの方が少しでも快適に避難生活を送れるよう、周囲への配慮を怠らないことを常に意識してください。

・猫を預けられるところをリストアップしておく
避難所に連れて行けない場合は家族・親族や信頼できる友人・知人等に預けるとよいでしょう。動物病院やペットホテルでも一時預かりに対応してくれることがあります。

・マイクロチップを埋め込むor迷子札を装着させる
離れ離れになってしまった時のために、マイクロチップを埋め込んでおくと安心です。飼い主の情報が登録されているので、保護された場合は確実に連絡が届きます。迷子札を装着させる場合は飼い主の連絡先・猫の名前・年齢・性別を書いておきましょう。

・備蓄品を揃えておく
いつも食べているフード・おやつ・水を1週間分ほど備蓄しておきましょう。ウェットフードがあれば水が足りない時でも水分補給ができます。トイレ用品・排泄物や嘔吐物の処理に使えるビニール袋・ウェットシートも必須です。

・ワクチンを接種しておく
避難所にいる他の猫や犬から病気をうつされる可能性があるので、忘れずに接種しておきましょう。

あると便利なグッズ
・リュック型のキャリーバッグ
両手が空くので、非常用持ち出し袋や他の猫を入れたキャリーバッグを持って移動することができます。

・ガムテープ
キャリーバッグやケージが壊れた時に補修できます。

・ポータブルトイレ
いつも使っているトイレでは大きくてかさばるうえに持ち運びも大変なので、折りたためるタイプのものが1つあると便利です。

・消臭スプレー
猫の排泄物はニオイが強いため、避難所で生活する際のエチケットとして用意しておきましょう。

・ハーネスやリード
脱走や迷子の防止に役立ちます。また、避難所では個人の生活スペースが限られているため、動きを制限して周囲に迷惑をかけないようにします。

愛情と栄養たっぷり!簡単オススメ手作り猫ごはんレシピ

手作りのごはんは一見ハードルが高そうに思えますが、難しく考えすぎる必要はありません。
猫のごはんを手作りする時に重要なポイントとオススメのレシピをご紹介します。
愛猫の好みや体調に合わせ、ちょっとの手間とたっぷりの愛情をかけたごはんを作ってあげましょう。

手作りごはんのポイント
・食材選び
基本中の基本ですが、猫にとって危険な食材は使ってはいけません。ネギ・タマネギ・ニラ・ニンニク等のネギ類やチョコレート・ココアは最悪の場合、命を落とす危険があります。ぶどう・マスカット・レーズン・アボカドは猫が食べると中毒症状を起こします。魚介類・肉・卵は加熱すればOKです。ただし、サバ・サンマ・イワシ・ブリ・アジ等の青魚は食べ過ぎるとイエローファット(黄色脂肪症)の原因となるので注意しましょう。

・調理法
消化不良や菌の繁殖を防ぐために、肉と魚は必ず加熱調理をしましょう。食材を切る時はなるべく細かくしてあげると食べやすくなります。

・味付け
猫のごはんに味付けは不要です。人間用の調味料を使うと塩分を摂り過ぎてしまい腎不全の原因となります。

・与える頻度
週に1回で充分です。専門家でもない限り、毎日手作りごはんを与えるのはやめましょう。手作りごはんだけで猫に必要な栄養素を全て補うのは非常に難しいからです。

オススメレシピ
・良質なタンパク質が摂れる鶏肉入りごはん
<材料>
鶏もも肉・かぼちゃ・マッシュルーム・キャベツ・ごはん・植物油・煮干し粉

<作り方>
①鶏もも肉を一口大に切り、野菜をみじん切りにする。
②植物油を熱したフライパンで鶏もも肉を火が通るまで炒める。
③野菜とごはんを加え、煮干し粉をまぶしてよく混ぜたら出来上がり。

・体を温めてくれるスープごはん
<材料>
鮭・にんじん・ブロッコリー・おから・ごはん・煮干し粉

<作り方>
①一口大に切った鮭とみじん切りにした野菜を茹でる。
②鮭を取り出した後におからを加え、野菜と一緒に軽くつぶしてスープにする。
③鮭・ごはん・煮干し粉を混ぜて器に盛り、上からスープをかけて出来上がり。

・貧血や疲労回復に効果的な牛肉とさつまいも炒め
<材料>
・牛薄切り肉・さつまいも・にんじん・オリーブオイル

<作り方>
①さつまいも・にんじんを小さめに切り、下茹でする。
②オリーブオイルを熱したフライパンで牛薄切り肉火が通るまで炒める。
③さつまいも・にんじんを加え、柔らかくなるまで炒めたら出来上がり。

火を使わなくても作れるツナの野菜のせ
<材料>
猫用ツナ缶・枝豆・きゅうり・黄パプリカ・トマト・ヤマイモ

<作り方>
①野菜を細かく切って混ぜ合わせる。
②器にツナを盛り、野菜をのせたら出来上がり。

・お腹にやさしいかきたまスープ
<材料>
ささみ・しいたけ・にんじん・いんげん・きくらげ・溶き卵・水溶き片栗粉・だし汁(猫用のかつおぶしや煮干しでだしを取ったもの)

<作り方>
①ささみを1cm角・しいたけを8等分に切り、にんじんを細切り・いんげんを輪切り・きくらげを粗みじん切りにする。
②だし汁を沸騰させてしいたけを入れ、3分ほど煮る。
③ささみ・にんじん・いんげん・きくらげを加え、ささみに火が通るまで煮る。
④火を止め水溶き片栗粉でとろみをつけた後、再び火をつけて溶き卵を回し入れたら出来上がり。

いざという時のために!猫の怪我の応急処置法

家の中と外を自由に出入りする猫や野良猫に比べて、完全室内飼いの猫は怪我のリスクが低いです。
しかし、室内だからといって必ずしも安全とは限らず、同居猫同士の喧嘩や思わぬ事故で怪我をする可能性はどんな猫でもあります。
すぐに病院へ行くほどではなくても、適切な応急処置法を覚えておけば、いざという時でも冷静に対処することが可能です。
自宅でできる猫の怪我の応急処置法について詳しく解説します。

・外傷
軽いひっかき傷や切り傷で出血がほとんどないようなら、あまり心配はいりません。ガーゼや脱脂綿を水かぬるま湯に浸し、傷口を優しく拭ってあげましょう。大きな傷や深い傷の場合はガーゼやタオルで傷口を押さえ、猫が暴れないように注意しながら病院へ運んでください。

・出血
軽い出血の場合はガーゼで傷口を3分ほど押さえて止血します。血が止まった後はややきつめに包帯を巻き、傷口が開かないようにしましょう。押さえただけでは止まらないほど出血が多い場合は傷口よりも心臓に近い部分をひも・包帯・ストッキング等できつく縛り、なるべく早く病院へ運んでください。ただし、長時間の止血は壊死の原因となるため、縛ってある部分を15分ごとに緩めて血を流すようにしましょう。

・骨折
高いところから落下した・ドアや窓に挟まれた・固いものや重いものにぶつかった場合、まずは30分~1時間ほど様子を見ましょう。ずっと足を引きずっていたり痛がっているようであれば、骨折をしている可能性が高いです。猫が骨折をした場合はとにかく安静にさせることが重要なので、患部を動かさないようにしてキャリーバッグに入れ、病院へ運んでください。

・やけど
冷水でしぼったタオルや氷水を入れたビニール袋を患部に当て、20分ほど冷やしましょう。やけどの範囲が広い場合は濡れタオルで体を包みます。猫の体は毛で覆われているので皮膚の変化が分かりにくいですが、見た目以上に重いやけどを負っている可能性もあるため、患部を冷やした後は念のため病院へ行くようにしましょう。

・感電
電気コードを噛んで痙攣や硬直を起こしている場合、まずゴム手袋をはめてコンセントを抜きましょう。先に猫に触ると飼い主が二次感電してしまいます。コンセントを抜いた後は口の中のやけどと意識と呼吸の有無・心臓の動きを確認してください。ぐったりしていて呼吸も心臓も止まっているなら、一番近い病院へすぐに行きましょう。できれば心臓マッサージと人工呼吸をしながら行くのがベストです。意識があって元気そうにしていても、数日後に後遺症が出たり肺水腫を起こす可能性があるため、必ず診察を受けることをオススメします。

・誤飲
喉の奥に異物が見えていたり誤飲してすぐの場合は猫を抱えて下を向かせ、背中を軽く叩きましょう。口を大きく開けさせて猫をしっかり固定し、手やピンセットで直接取り出す方法もあります。ひも状のもの・鋭利なもの・薬品を誤飲した場合は無理に吐き出させたり取り出したりせず、病院へ行きましょう。何を誤飲したか分からない場合も同様です。

迷い猫の効果的な探し方と予防のためにできること

玄関の扉や窓を開けた時や地震で驚いた時等、ふとした拍子に猫が脱走してしまうことがあります。
自力ですぐに帰ってこられる猫もいますが、そうでない場合はとても心配で不安になりますよね。
迷い猫を見つけやすくする効果的な探し方・迷い猫の予防のためにできることについて詳しく解説します。
適切な探し方を知っておけば、万が一のことがあっても再会できる確率がぐっと高くなります。

基本の探し方
・家の近所をよく探す
室内飼いの猫は迷子になっても家の近所で見つかるケースが非常に多いので、まずは家から半径50~100メートルを中心に探しましょう。去勢・避妊をしていない猫は200~300メートル、普段から自由に外出している猫は500メートルまで範囲を広げてください。初めて外に出た猫の場合、知らない場所や環境に驚いて狭いところや暗いところに隠れている可能性が高いです。猫の目線になって、車の下・物置の裏や下・建物の隙間・軒下・草むらの中・エアコンの室外機の裏等をくまなくチェックしてみましょう。

・夕方~夜にかけて探す
猫が最も活動的になるのは夕方~夜です。昼間探して見つけられなくても諦めてはいけません。時間をずらして同じ場所をもう一度探してみましょう。

・大声を出さない
大声を出すと余計に恐怖を感じるので、飼い主だと分かっていても警戒してそのまま隠れ続けてしまいます。探す時はいつもと同じ大きさの声で優しく呼びかけるようにしましょう。

・家の周囲に猫砂やフードを置く
自分のニオイに気付くと、安心して姿を現すことがあります。猫砂が最も効果的ですが、毛布やタオル等でも構いません。お腹が空いて帰ってくる可能性もあるので、フードを置いておくのもよいでしょう。

丸1日経っても見つからない時の探し方
・迷い猫の届出をする
近隣の保健所と猫の保護団体に迷い猫の届出をし、似た猫が保護されていないか問い合わせてみましょう。念のため、警察署や動物病院にも確認を入れることをオススメします。拾得物として引き取られている・事故に遭ったり怪我をして運び込まれている可能性も考えられるからです。

・SNSを利用する
迷い猫の情報を掲載すると、保護した人が連絡をくれることがあります。

・チラシやポスターを作る
チラシやポスターは情報が多過ぎると見てもらえないことがあるので、シンプルで分かりやすいものを作ってください。ご近所さんに渡したり、近隣のお店に頼んで貼らせてもらいましょう。

迷い猫の予防
・首輪と迷子札を付ける
首輪と迷子札を付けておけば飼い猫だとすぐに分かるので、猫を見かけたり保護した人と連絡が取りやすくなります。少々値は張りますが、猫の居場所や行動範囲を把握できるGPS付きの首輪もあります。

・マイクロチップを埋め込む
マイクロチップを埋め込んでおけば迷子札がなくても飼い主の情報が分かります。外れる心配がなく、半永久的に使用できます。

・脱走されないように対策する
猫は身軽なので、ペット用のゲートを設置しても簡単に飛び越えてしまいます。そのため、玄関の脱走対策には天井近くまで高さのあるパーテーションを使った方が安全です。網戸を破って脱走することもあるので、厚手で目の細かいペット用網戸に張り替えたり、防犯用のロックを付けて窓を開けられないようにしましょう。

1 2 3 5