愛猫に長生きしてほしいと願うのは飼い主として当然のこと。
しかし、長生きすればするほど病気のリスクが高まるのは人間も猫も同じです。
元気そうに見えても、体の中で病気が進行しているかもしれません。
猫が特にかかりやすい病気について詳しく解説します。
症状や予防法を知っておけば、早期発見や発症後のケアに役立てることができます。

腎臓病
・原因
猫の腎臓病の原因ははっきりと分かっていません。一説によると、元々砂漠の生き物だった猫は水分をあまり摂らないので尿を濃縮して排出する必要があり、腎臓に負担がかかりやすいからだとされています。また、血液中の老廃物を濾過して尿を作る腎臓のネフロンという組織が加齢によって破壊されることも原因のひとつと考えられています。

・症状
多飲と多尿が初期症状として現れ、尿の色やニオイが薄くなります。さらに症状が進むと元気がなくなり、食欲が落ちてきます。腎臓の機能が低下することで老廃物や毒素が体内に蓄積し、ひどい口臭・嘔吐・下痢といった症状が現れるようになります。

・予防法
新鮮な水を常に飲める状態にしておき、食事とおやつに気をつけることで予防が可能です。いつもドライフードを食べている猫の場合は時々ウェットフードを与えてもよいでしょう。リンとナトリウムが控えめでオメガ3脂肪酸とタンパク質を適度に含んだフードを選び、塩分の多いおやつを与え過ぎないように注意してください。

糖尿病
・原因
原因としてよく挙げられるのは肥満・運動不足・食べ過ぎ・加齢による基礎代謝の低下です。服用している薬の副作用や膵炎が原因となることもあります。遺伝的な素因によって糖尿病になりやすい猫もいます。

・症状
腎臓病と似た初期症状が現れます。インスリンの働きが弱まることで糖質を吸収できなくなり、たくさん食べても太らず、むしろ痩せていきます。症状が進むと、後ろ足のかかとを地面につけて歩いたり、目が白濁したり、けいれんや発作を頻繁に起こすようになります。

・予防法
1日分の食事を3~4回に分けて与えると、食後の血糖値の急激な上昇を抑えられます。来客・騒音・香水やアロマのニオイ等でストレスを感じると一時的に血糖値が上昇するので、なるべくストレスの少ない生活環境を整えてあげてください。可能であればキャットタワーを設置したり、一人遊びができるおもちゃを用意して運動不足が解消できるようにしましょう。

ガン
・原因
ウイルス・ホルモン・遺伝・化学物質・加齢・紫外線・受動喫煙等が原因とされています。ごく稀に、ワクチンを接種した部位に肉腫ができてガン化することもあります。

・症状
ガンのできた場所によって様々な症状が出ますが、共通しているのはリンパ節の腫れ・食欲不振・体重減少・貧血等です。

・予防法
残念ながら、ガンには有効な予防法がありません。ただし、精巣・子宮・卵巣・乳腺のガンは去勢・避妊することで予防できます。老猫はガンのリスクが高いので、7歳を過ぎたら半年に一度は健康診断を受けましょう。