多頭飼いを経験したことのない飼い主さんからすると、2匹目の猫を迎えるのはなかなか不安なものです。
楽しみや喜びだけでなく、猫の数だけ手間や費用も増えるということを理解しておかなければなりません。
多頭飼いをする時の準備と注意点について解説します。

・猫同士の相性
猫同士にも当然相性があります。最初から多頭飼いをすると決めているのであれば、最も仲良くなりやすい兄弟猫や親子を同時に飼うのが理想です。しかし、実際には1匹目を飼い始めてしばらくしたら2匹目も欲しくなったというケースの方が多いでしょう。兄弟猫や親子以外では去勢済のオスと避妊済のメス・メス同士・子猫同士の組み合わせが比較的相性がよいとされています。オス同士は縄張り意識が強いので喧嘩になりやすいです。老猫と子猫の組み合わせもあまりよくありません。体力が落ちてゆったり過ごしたい老猫にとって、活発にまとわりつく子猫の存在はストレスになります。

・飼育環境
大きめのトイレを1つ用意して共有させても構いませんが、念のためトイレは増やした方が安心です。特に先住猫が神経質な性格だと他の猫のニオイがするトイレを嫌がることがあります。多頭飼いで理想的とされるトイレの数は猫の数+1です。部屋が狭くて必要な数のトイレを設置できない場合はこまめに掃除をして常に清潔な状態を保つようにしてください。隔離できる部屋やスペースがあると、病気や喧嘩の時に便利です。また、集合住宅ではペットの飼育頭数の上限を定めていることが多いので、事前にきちんと確認しておきましょう。

・対面は慎重に
先住猫と新入り猫をいきなり対面させてはいけません。最初の2~3日は新入り猫を隔離部屋で過ごさせ、先住猫がニオイと気配を感じ取れるようにします。可能であれば、新入り猫のニオイがついたおもちゃ等を先住猫に与えてニオイを嗅がせるのがオススメです。猫同士がお互いの存在に興味を持ち始めたら、ケージやキャリーバッグ越しに5分ほど対面させましょう。この時、たいてい先住猫が新入り猫を威嚇しますが、焦るのは禁物です。1日数分~数十分ずつの対面を繰り返し、1週間ほど経ったら次のステップに移ります。必ず飼い主の目が届く状態で新入り猫を部屋に出し、短時間の対面をさせましょう。よほど激しい喧嘩をしない限りはそのまま見守っていてOKです。お互いに威嚇することが少なくなったら、一緒に過ごす時間を徐々に長くしてください。仲良くなるまでの期間は早くて2週間ですが、一般的には1~2ヶ月が多く、長いと1年近くかかることがあります。

・先住猫を優先する
ごはんをあげたり、なでたり、遊んだりと何事もとにかく先住猫を優先してあげましょう。新入り猫ばかり構っていると、飼い主を取られたと思って先住猫が嫉妬し、強いストレスを感じてしまいます。喧嘩になっても決して先住猫を叱らず、新入り猫をそっと引き離すようにしてください。

・仲良くなれないこともある
結局のところ、多頭飼いがうまくいくかどうかは猫同士の相性や性格によります。どれだけ時間をかけても、どうしても仲良くなれないこともあるということは覚えておいてください。