家の中と外を自由に出入りする猫や野良猫に比べて、完全室内飼いの猫は怪我のリスクが低いです。
しかし、室内だからといって必ずしも安全とは限らず、同居猫同士の喧嘩や思わぬ事故で怪我をする可能性はどんな猫でもあります。
すぐに病院へ行くほどではなくても、適切な応急処置法を覚えておけば、いざという時でも冷静に対処することが可能です。
自宅でできる猫の怪我の応急処置法について詳しく解説します。

・外傷
軽いひっかき傷や切り傷で出血がほとんどないようなら、あまり心配はいりません。ガーゼや脱脂綿を水かぬるま湯に浸し、傷口を優しく拭ってあげましょう。大きな傷や深い傷の場合はガーゼやタオルで傷口を押さえ、猫が暴れないように注意しながら病院へ運んでください。

・出血
軽い出血の場合はガーゼで傷口を3分ほど押さえて止血します。血が止まった後はややきつめに包帯を巻き、傷口が開かないようにしましょう。押さえただけでは止まらないほど出血が多い場合は傷口よりも心臓に近い部分をひも・包帯・ストッキング等できつく縛り、なるべく早く病院へ運んでください。ただし、長時間の止血は壊死の原因となるため、縛ってある部分を15分ごとに緩めて血を流すようにしましょう。

・骨折
高いところから落下した・ドアや窓に挟まれた・固いものや重いものにぶつかった場合、まずは30分~1時間ほど様子を見ましょう。ずっと足を引きずっていたり痛がっているようであれば、骨折をしている可能性が高いです。猫が骨折をした場合はとにかく安静にさせることが重要なので、患部を動かさないようにしてキャリーバッグに入れ、病院へ運んでください。

・やけど
冷水でしぼったタオルや氷水を入れたビニール袋を患部に当て、20分ほど冷やしましょう。やけどの範囲が広い場合は濡れタオルで体を包みます。猫の体は毛で覆われているので皮膚の変化が分かりにくいですが、見た目以上に重いやけどを負っている可能性もあるため、患部を冷やした後は念のため病院へ行くようにしましょう。

・感電
電気コードを噛んで痙攣や硬直を起こしている場合、まずゴム手袋をはめてコンセントを抜きましょう。先に猫に触ると飼い主が二次感電してしまいます。コンセントを抜いた後は口の中のやけどと意識と呼吸の有無・心臓の動きを確認してください。ぐったりしていて呼吸も心臓も止まっているなら、一番近い病院へすぐに行きましょう。できれば心臓マッサージと人工呼吸をしながら行くのがベストです。意識があって元気そうにしていても、数日後に後遺症が出たり肺水腫を起こす可能性があるため、必ず診察を受けることをオススメします。

・誤飲
喉の奥に異物が見えていたり誤飲してすぐの場合は猫を抱えて下を向かせ、背中を軽く叩きましょう。口を大きく開けさせて猫をしっかり固定し、手やピンセットで直接取り出す方法もあります。ひも状のもの・鋭利なもの・薬品を誤飲した場合は無理に吐き出させたり取り出したりせず、病院へ行きましょう。何を誤飲したか分からない場合も同様です。